乳がんの治療法は一つではない

治療法が一通りしかないのであれば、選択肢はありません。迷う余地もないことになりますが、実際には手術や抗がん剤、ホルモン療法、放射線といったいくつかの方法が用意されており、さらに使用する薬剤や組み合わせ方などもあるため、多様な選択肢が用意されていることになります。

もっとも、すべてが有力な選択肢になるわけではなく、乳がんの状態によって治療法の候補は絞られます。そのため、すべての方法について同等の考慮をするわけではないのです。

乳がんの治療法の選択に関係する要素

まずは症状の進行度が関係してきます。早期の段階であれば、手術のみで完治が望めることも多いのですが、進行すると切除の範囲を広げなくてはならなかったり、他の治療法との併用が再発防止に必要になります。

転移の有無も重要な要素です。離れた位置のリンパ節や遠隔臓器に乳がんの転移がある場合には、全身療法である抗がん剤やホルモン療法を使用することが一般的です。そのほかに、骨転移に対して放射線治療やビスフォスフォネートを使用することや、脳転移にガンマナイフを用いるといったそれぞれの場所への治療を行うこともあります。

また、手術の場合には切除範囲をどの程度にするかといった問題もあります。美容にも関わることですので、やはりできるだけ切除範囲を狭くしたいと考えるのが通常です。しかし、再発との兼ね合いも考えておかなくてはなりません。

治療法で迷ったら

まずは主治医との話し合いを積み重ねるのが第一です。それでも判断がつかない場合には、セカンドオピニオンを活用するとよいでしょう。複数の医師の話を聞くことで、色々な角度から考えることができますし、意見が一致していれば安心してその治療法に同意することができるでしょう。

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