若年性乳がんとは

一般的に35歳よりも若い年齢で発症した乳がんを若年性乳がんと言います。

若年性乳がんの傾向

かつては年齢が高まってからというイメージが強かったものの、現在では20代や30代の発症率が高まっています。その原因としては、食生活の欧米化や体の発達の早さが関係していると考えられています。

若年性乳がんの問題点

若い女性の多くは、定期的に検査を受ける習慣や自己検診を行うことがなく、発症リスクに対しての意識が低いと言えます。そのため、早期発見が難しくなってしまいます。初期症状のうちに見つけることができれば、それだけ予後の経過も良好ですし、手術を行っても乳房を温存できる可能性が高まるのですが、病院で検査を受ける機会もほとんどない状態では、早期発見を望むことが難しいものです。発症についてのイメージと現実が離れてしまっているところに、根深い問題が隠れています。

たとえ年齢が若くても、20歳を越えたら定期的に検査を受けておくことが望ましいでしょう。また、自己検診を行うことによって、しこりを早い段階で見つけることも有効です。しこりの大半は良性ですが、必ず専門医に確認してもらってください。自己検診の方法はこちらをご覧下さい。

若年性乳がんと精神ケア

20代や30代の女性の場合、妊娠や出産、結婚を考えている時期でもあり、その時期に手術で乳房を切除してしまうことや、抗がん剤やホルモン療法の副作用で一時的にでも閉経してしまうことは、気持ちの上で大きなダメージとなります。年齢が高い患者さん以上に精神的なショックを受ける傾向があると言えるでしょう。そのため、なかなか現実を受け入れることができないという問題があります。

家族をはじめとした周囲の方の支えが必要なことはもちろん、患者さんも専門医や看護士に悩みを打ち明けて、少しでも気持ちを落ち着けるようにしてください。結婚している方なら、パートナーとの話し合いを設け、共通の意思を形成しておきたいところです。

若年性乳がんの治療

手術を行ったとしても、一般に年齢が若い場合には再発のリスクが高いので、術後に再発予防のために補助療法を用いることが多くあります。抗がん剤やホルモン療法は、治療としての効果を持つものの、副作用もあります。事前に専門医の説明を聞いて、納得してから治療に臨むようにしましょう。

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