iPS細胞の効率化が癌治療を変えるか

未来のがん治療にも応用されることが期待されている技術としてiPS細胞があります。全身の様々 な細胞に変化することができる新型万能細胞と呼ばれるものです。

このiPS細胞の培養器官を半減させ、さらに効率をおよそ200倍も高めることに米国スクリプス研究所のチームが成功し たことが専門誌に発表されました。いくら優れた技術であっても、一般に普及させるためには効率よく作成できる必要があり ます。そうした意味で、大きな一歩になるかもしれません。

iPS細胞は通常の細胞にウイルスなどを用いることで遺伝子を導入して作るのですが、がん化しやすいというリスクがあ り、安全性を高めると効率が落ちていました。これに対し、研究チームに所属するシェン・ディン准教授達は細胞の表面のた んぱく質に注目し、たんぱく質による妨害が入らないようにしたところ、これまでは1枚のシャーレで数個しか作れなかったi PS細胞が数百個に激増することになりました。

癌の治療は一刻を争うことも多く、今でも完治が困難な状態の患者さんが少なくありません。余命わずかな方も多くいるこ とを考えると、1日も早く医療の現場に治療として応用できるようになることが望まれます。

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