乳がんの放射線治療

癌細胞は正常細胞よりも放射線の影響を受けやすい性質を持っているので、高エネルギーのX線を照射することによって癌細胞のDNAを損傷させて死滅させたり、増殖を抑えたりするものです。

乳がんの放射線治療は照射範囲に対する局所療法ですので、その点では手術と共通し、全身療法である化学療法やホルモン療法とは区別されます。無制限に使えるわけではなく、同じ箇所への照射は一定量までに制限されます。

放射線治療を乳がんに用いる場合、電気仕掛けのリニアックという方法と、放射性同位元素を用いるコバルト照射装置があります。1日に1回行い、合計25回行うことが一般的です。また、単独で使うだけではなく、手術やホルモン療法、抗がん剤と併用することもあります。

乳がんの放射線治療を受けられない方

以下の方は安全のため、他の治療法を検討することになります。・ 妊娠中の方
・ 膠原病の方
・ すでに一定量の照射を行った方

乳がんの放射線治療が使われる場面

乳房温存手術後
手術によって取りきれなかった微小な癌細胞が乳房に残っている可能性があるので、それらの癌細胞を殺傷する放射線治療によって乳がんの再発を予防する方法です。放射線治療を行うことで、再発のリスクを軽減させることができます。乳房温存手術と放射線治療を合わせて、乳房温存療法と呼びます。

乳房切除後
乳房温存手術の場合と同様に、切除を行った場合でも再発の危険があります。およそ2割から3割の方に乳がんの局所再発が起こるとされており、放射線治療によってそのリスクを3分の1程度にまで軽減させることができます。リンパ節転移が4個以上の場合やしこりが大きくなっていた場合には、再発のリスクが高まりますので、対策を講じる必要が生じます。

術前治療
進行乳がんに放射線治療を用いることによって、術前に抗がん剤を用いることができなくても、しこりを縮小させることが期待でき、手術の適用範囲内の状態をもたらすことができる場合があります。

再発や転移した場合
再発や転移を起こした乳がんに放射線治療を用いることで、症状を緩和させます。たとえば、脳へ転移した場合には、頭痛や吐き気、嘔吐などの症状が現われるため、脳に放射線治療を行う場合や、骨転移の場合に、骨の痛みや骨折予防のために用いることがあります。

乳がんの放射線治療を用いた場合の副作用

一般的に、抗がん剤と比べれば、放射線治療の副作用は軽微です。また、治療後に回復していき、急性障害なら、多くの場合は半年ほどで副作用が消失します。したがって、抗がん剤による化学療法を用いる場合と比べれば、体にかかる負担は限定的であると思ってよいでしょう。

副作用は急性障害と晩期障害に分けられます。急性障害とは、乳がんに放射線治療を用いている期間や、終了から間もなく現われるものです。終了後、半年から数年経ってから現われる症状が晩期障害と呼ばれています。

急性障害としては、全身の倦怠感や食欲低下、皮膚が赤く腫れる場合やかさついたり、ヒリヒリすること、水ぶくれが出ることがあります。治療中の皮膚の状態を良好にするために、専門医に軟膏を処方してもらうこと、刺激の弱い石鹸を使うこと、患部に消臭剤を使わないこと(アルミニウムが含まれていると、放射線と相互作用する可能性があるため)、直射日光を当てないことが求められます。

晩期障害としては、皮膚の色が変わってしまうことや、皮膚や乳腺組織の萎縮、皮下組織の硬化、毛細血管が拡張して皮膚の表面に浮いているといったことがあります。晩期障害が見られる方は5%以下とされています。

副作用を小さくするためには、正常細胞への照射を少なくすることが重要です。乳がんに放射線治療を用いる場合には、照射の対象となる病巣だけではなく、その周辺にも照射が及びます。この範囲が大きくなれば、それだけ副作用も増すことになります。したがって、事前にどの位置を対象にするかを慎重に決めることが大切です。

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