乳がんの骨転移

症状が進行してガン細胞が広がっていくと、骨に転移することがあります。それによって、痛みが起きたり、骨がもろくなって折れてしまうこともあります。

血液を介して広がっていった結果で、乳がんは骨転移を起こしやすい癌の一つとなっています。部位としては、肋骨や脊椎、骨盤、股関節、大腿骨などがあります。

再発の場合に見られることも多く、再発が転移によって発見されている場合には、骨がおよそ半分を占めています。他に肺や肝臓も多いのですが、骨ほどではありません。

乳がんが骨転移する際のメカニズムの解明は進んでおり、癌細胞が破骨細胞を活性化させ、増殖するためのスペースを確保するとされています。古くなった骨を溶かすのが破骨細胞の働きなのですが、それが暴走させられてしまうのです。

骨転移の検査

検査としては骨シンチグラフィやレントゲン検査、ＭＲＩ、ＣＴ，ＰＥＴといった画像診断が中心になっています。中でも、骨シンチグラフィは薬剤を注射してから撮影し、薬剤が集まっている具合を調べるものとなっています。

治療の方法としては、ビスフォスフォネートという薬や放射線治療が中心となっています。ホルモン療法や抗がん剤といった全身両方だけではなく、骨転移に対して治療を行うことになるのです。

ビスフォスフォネートというのは骨粗しょう症の治療にも使われている薬で、骨を丈夫にする働きがあります。破骨細胞の働きを抑えることにつながり、いっそうの進行を防ぐことになるのです。

また、病巣に放射線を照射することによって、痛みの緩和や症状の進行を遅らせることにもつながります。ただし、これらは全身の状態を改善するものではありませんので、完治するわけではありません。原発巣まで治るわけではありませんので、気をつけてください。

残念ながら、すでに全身病化して末期症状になっていることもあるのです。ただし、治る見込みはないとしても余命が短いとは限りません。何年も生きられることも多くありますので、その間を痛みにさいなまれたり、寝たきりにならないようにして過ごすためにも、適切な治療を受ける必要があります。